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「法制問題小委員会平成20年度・中間まとめ」に関する意見(2)

に関するパブリックコメント その2

第2章 第2節、3節

多数関係者や権利者不明にとどまらず、承諾に変わる裁定を法制度化するべきである。

著作権法が文化の発展に資するのは著作物が公開されるからである。正当な対価をもってしても公開流通を拒否することは文化の発展の観点からは望ましくない。

現在、部分的に限定されており、供託を要件とする裁定の制度を改めて、弾力的かつ一般的な制度とすべきである。また、一般的に裁定利用が不可能としても登録された著作物については裁定利用を可能とするとともに、登録されない著作物については、権利行使の範囲を制限することが望ましい。

第3章 第3節

我が国の著作権法は、様々な著作隣接権などによる複雑な制度が設けられており、権利関係が煩雑になりがちである。さらに、カラオケ法理などの拡張解釈が問題視されている中で、権利保護期間を延長することはこのことに拍車をかけるものである。

諸外国は、フェアユースの規定や解釈等により適法とされる場合が弾力的であるなど、流通促進のための制度が設けられた上での保護期間の延長の議論がなされており、我が国のような権利制限事由が不十分な法制度の下で保護期間を延長することは、権利者を不当に保護するだけになる。

フェアユースなどの流通促進規定の創設が先であり、これらの問題が解決された上で著作権保護期間延長の議論が俎上に上るべきである。

著作物は創作に対する対価を与えることで文化の発展を目指すものである。

そもそも、多くの著作権者は、創作時に孫が保護されるかを重視するものではない。著創作性に関与しない遺族に対してまで報酬を与えることは慎重に考えるべきである。

著作物の保護は孫の代までの保護であるが、著作権者の遺族には著作権者が許諾料で得た収入を相続することができる。つまり、著作者の孫には、先代及び先々代からの遺産に加え、自己の世代の収入まで与えることになり過度の保護となりかねない。

現在の企業中心の著作権ビジネスを考えたとき、孫の代云々の議論自体が時代遅れである。

著作権の保護期間延長は新たな創作を阻害するという弊害がある。また、 著作権が懲役10年以下という厳しい刑事罰が設けられており、安易な保護期間延長は、刑事罰の威嚇による創作の否定ということに成りかねない。

著作権保護の議論は、刑罰規定の見直し無しに進められてはならない。 特に、日本の著作権法は、共同著作権者の一人が反対していれば、利用者が刑罰によって処罰されかねない。利用者が犯罪者になる現行法は著しく流通を害することになる。

第3章 第4節

映画著作物について、死後70年とすれば、著作権者のすべての生死を確認することになり、管理は事実上不可能になるため、死後70年とすることは反対である。

さらに映画の著作物については、原著作物の範囲が必ずしも明確ではなく、映画自身の著作物が切れていても、音楽の著作物について切れていないので、利用不可能ということも考えられる。映画著作物について発表時から70年とする以上、これらの範囲も明確にされたい。

著作隣接権について、レコードに関する権利や放送事業者の権利は、 現在のコンテンツビジネスを見れば契約によって保護すれば足りる。保護延長は全く必要性が見出せない。

以上
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