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LSE ニューズレター (2009年8月21日発行) -- Winny裁判控訴審結審

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LSE ニューズレター (2009年8月21日発行)
-- Winny裁判控訴審結審
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【目次】

1.理事長よりご挨拶

2.Winny開発者・金子勇氏控訴審が結審

3.事件の説明と判決期日について(LSE理事・弁護士 壇俊光)

4.LSE活動報告

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1.理事長よりご挨拶
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ソフトウェア技術者連盟(LSE)はこの4年間、Winny事件における金子勇氏への支
援を行って参りました。その事件も、もうすぐ高裁での裁判が終わろうとしてい
ます。

どのような結果がでるか、私にはわかりませんが、一つ確実に言えることは、皆
様の金子氏への力強いご支援のおかげで、流れが大きく変わったということです。

もし皆さんのご支援がなければ、本事件は単なる著作権法違反事件として、警察
・検察のストーリー通りになっていたことは間違いありません。

これは今後のソフトウェア開発やインターネット利用などの時代において、大き
な意味を持つものです。この裁判が判決となり、今後のP2P技術や動画共有など
のサービスにおける規範となっていきます。

これまで当団体はWinny事件以外の活動は低調でしたが、今後はそれ以外の活動
を中心に据えることになり、大きな変化が必要となります。

まずはソフトウェア技術者向けに、受託開発ビジネスの契約やビジネスモデルに
ついての集会開催と、それら学習情報のウェブへの掲載を行っていきます。9月
11日(予定)に福岡で第一弾の集会を行う予定です。

今後、大阪や東京でも集会を行っていく予定ですので、是非よろしくお願いいたします。

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2.Winny裁判控訴審が結審
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理事長挨拶にもありますように,京都地裁から大阪高裁に舞台を移した
控訴審が結審し,判決の日程も決定しました.
以下の記事で詳しく述べられています.

Inernet Watch 「Winny開発者・金子勇氏の控訴審が結審、判決は10月8日」2009/7/16
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090716_302758.html

壇弁護士の事務室 2009/7/22
http://danblog.cocolog-nifty.com/index/2009/07/post-d118.html

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3.事件の説明と判決期日について
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Winny事件事務局長の壇です。

長い時間が掛かりましたが、この度控訴審の弁論が終結いたしました。
大阪判決は平成21年10月8日午前10時から大阪地方高裁裁判所201号法廷で
行われます。

控訴審の経緯ですが、主張レベルについては、今年1月の報告会で
報告させていただいたので、今回はその後の進行についてご報告いたします。

第1回期日で検察・弁護それぞれの主張のやりとりがあり、その後検察側、弁護側が
進行協議期日をつかって、それぞれ、Winnyとは何かを実演する機会がありました。

検察側はJASRACまで行ってネットにつなぎ、Winnyで著作権侵害のファイルを
ダウンロードしようとしていましたが、ポートが開いていなかったためでしょうか、
なにもダウンロード出来ませんでした。

弁護側は、内部ネットワークで、Winnyの各種機能の確認と、検察がダウンロード
出来なかった理由を明らかにするなどの実演を行いました。

その後、第2回公判で証人尋問が行われ、検察側証人として、京都府警の警部と
ACCSの中川氏、弁護側証人として、慶應大学の田中准教授、IIJの木村氏が
それぞれが証言を行いました。

弁護側は田中准教授の専門家としての意見で、原審が有罪の大きな根拠とした
ACCSのアンケート調査が調査の名に値しないことや、Winnyがコンテンツホルダに
損害を与えていないことを立証しました。

また、木村氏によって、Winnyの基礎技術としての重要性を明らかにしました。

これに対する検察側の証言の目的は、警部の証言で、正犯のIPアドレスやポート番号が、
正犯とされるもののパソコンと異なることの説明を警部が行うというものでした。

また、中川氏で、ACCSの平成18年アンケート調査やWinnyに多額の損害が出ている
というということを立証しようとするものでした。

ただ、いずれにしても弁護側の反対尋問で、証言の信用性は否定されたと思います。

第3回期日は、高裁の審理をふまえて、再度、弁論を行っています。

控訴審における主張は、多々有りますが、弁護側はそのうち重要なものだけに
絞っています。

そもそも、技術者にとって、よく分からない理由で刑事処分となることの問題点、
世界的に見てもこのような事実関係で、幇助を認めた例は無いこと等、
原点に立ち返って主張を行っています。

高裁における主張書面は、また、機を見て公開させて頂く予定です。

判決日には、また、LSEの会員対象に報告会を開かせていただく予定ですので、
お越しになって、よろしくご支援ください。

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4.LSE活動報告
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■各種パブリックコメント提出

技術者に関わる法律問題について、LSEとしてパブリックコメントを
提出しています。

文化庁 法制問題小委員会
「平成20年度・中間まとめに関する意見」
http://lse.or.jp/?pc001

文化庁 文化審議会著作権分科会
「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会中間整理」
http://lse.or.jp/?pc002

内閣官房 知的財産戦略推進事務局
「デジタル・ネット時代における知財制度専門調査会報告案に関する意見募集」
http://lse.or.jp/?pc003

■1月の報告会

Winny事件公判を控えて、地裁判決から高裁までの経緯や、
原判決の解説、高裁での検察・弁護側それぞれの主張を
Winny事件事務局長の壇弁護士から行いました。

Winny trial goes High Court
Posted on January 5th, 2009 by Shunichi Arai
http://asiajin.com/blog/2009/01/05/winny-trial-goes-high-court/

■平成20年会計報告

収入の部(単位¥)

繰り越し金  1001
金子基金寄付金  15039
会員外寄付金    5014
金子基金繰り越し    2874138
会費収入    719008
合計    3614200

支出の部(単位¥)

消耗品費    980
会議費  5750
交通費  35400
その他  29417
合計    71547

収支合計    3542653

■事務所移転

これまで大阪市の内平野町の事務所から、壇理事の事務所である
北尻総合法律事務所内に移転する事になりました。

これからも、LSEは活動を継続していきます。

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■LSE会員募集中 http://lse.or.jp/?apply
■支援のお願い http://lse.or.jp/?support
■記事内容に関するご意見、ご質問、ご感想などは info@lse.or.jp までお願いします。

■編集:LSEメールマガジン発行部
■発行:ソフトウェア技術者連盟(League for Software Engineers)
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